孤宿の人 下



孤宿の人 下
孤宿の人 下

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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読み終えて静かな感動が残る

無垢な少女「ほう」を核に、身分の違う人々がそれぞれの人生を生きるさまを丁寧な描写で描きあげたもの。
哀しい生い立ちの「ほう」がひねくれもせず、素直に
ひたすらに生きる姿、武士として筋の通った生き方を通しながら「ほう」に出会うことで安らぎを感じたであろう加賀様の最期。読み進むうちに涙があふれた。読み終えて静かな感動が残る。

じんわり。

野育ち、あほう、と言われる「ほう」を中心にとつとつとした光景が描かれる上巻。
登場人物が多く、藩の背景も丁寧に描かれているので中だるみ、と言う意見があるのも
頷けるところですが、下巻に入って一気に読ませます。
四国の丸海藩に流されてきた江戸の大罪人・加賀と、無垢なほうとの心のやり取り。
人の心の闇を嫌と言うほど見てきて人生に倦んだ加賀と、人の心の闇によって丸海藩に
居つく事になったほうの手習いのシーン、二人の別れのシーンは涙をこぼしました。
小気味よい江戸ものも上手な宮部氏ですが、この作品は悲しい物語。
でもじんわりと、心に響く何かがあり、読後感は悲しいながらもとても暖かです。

ほうはその後、どうしたのかな。幸せだといいな。と読み返すたび思う作品。
閉鎖された場所の情報操作の結果

この作品のところどころにあるテーマは『噂』だと思う
『噂』が普通の人を暴徒にしちゃうし、『噂』を巧みに利用して生きながらえる人もいるし。
いつの時代にもそういうふうに情報操作ってあるんだなあっていうのが感想。
閉鎖された地域であればあるほど操作はしやすいだろうし。

今までの宮部さんの時代物では、妖(しゃばけ風)って普通にありだったのに
「若先生」になんにでも理由がある(当時真の理由は分からなかったとしても)、
みたいな事を言わせたのにはちょっとびっくり。

「模倣犯」以降の宮部さんの作品は、私にとってね、何だか重たくて救われないなーって思うのが多く、自分にもエネルギーがある時でないと読み進められなかったのですが、
意外にも今回は一気に読めた。
やっぱり上手いなー宮部さん。
あの人たちがああいった場面で死んじゃうのも、すごく最近の宮部さんらしいと思いました。

私には泣くシーンってなかったけど、「孤宿の人」に死んで欲しくないなーと強く思いながら読んでいました。
健気

不幸な生い立ちのたった9歳の「ほう」が江戸から讃岐へと流れ着き、丸海藩存亡に係る課役、悪霊と恐れられる流罪人「加賀殿」お預かりに巻き込まれていく。匙家の娘の毒殺・藩内の内紛・流行病・自然災害。次々と起こる事どもを人々は「加賀殿」が招じていると噂する。そして藩はその噂を利用して厄介者の「加賀殿」を丸海の神にしてしまおうと画策する。しかし、「加賀殿」の罪の真相は・・・。また、阿呆の「呆」と名付けられた「ほう」は加賀殿より「方」そして「宝」と名前を付け替えられていく。


最後の最後の最後で・・・久しぶりの号泣でした。読んで良かった(^v^)

長編ということもあり、面白い出来事も沢山ありますが、宮部ファンの私でも中だるみし、まだ続くのか・・・と投げ出したくなりながら読んだところもありました。漸くクライマックスかといったあたりでも、なんかさほど宮部らしくないすっきりしない話になりそうと思いきや・・・最後の最後で、これまでの沢山の出来事が走馬灯のように甦り、ものすごい感動に結びつくのです!!ほんと、「ほう」の健気さに心が洗われました。
宮部みゆきってやっぱり、いい仕事しますね。



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